みんなマルチリンガル

 国際カップルの結婚式は色んな国の人が集うので色んな言葉が飛び交います。先日香港で出席した結婚式は新郎が日本人、新婦が日本在住の香港人で、広東語、英語、日本語が共通言語でした。私の隣に座っていた香港人は日本語が分からず、私は英語がまるでできないので、主に中国語(中国標準語)で会話しましたが、友人は英語を使い、その隣の香港人が流暢な日本語で注釈を入れてくれたりしてカオス状態でした。

 10年前に香港を訪れた時は中国語があまり通じないと感じたのですが、今回は何の違和感もありませんでした。香港返還から14年が経ち、中国の渡航規制などが緩和されたことで、香港にも中国語が浸透したんだろうなあと思います。

 今回の旅行で出会った香港人たちは、年齢に関係なく広東語、英語、中国語を自由に操り(広東語と中国語は、英語とフランス語・ドイツ語くらい違うと言われます)、さらに日本語ができる人も多かったです。そして、香港人にとって英語はかなり身近な言語のようで、広東語が通じない相手にはごく自然に英語に切り換えるし、友人とのメールやチャットは漢字変換が面倒なので英語を使うのだそう。環境によるところが大きいのだとは思いますが、英語が苦手な身としては羨ましい限りです。

 私がかつて留学していた中国の学校は学費が恐ろしく安かったので、世界中から留学生が集まっていました。主にヨーロッパや西アジアからでしたが、彼らは母語以外に英語ともうひとつふたつ外国語が使えて、5ヶ国語以上話せる人もたくさんいました。7ヶ国語を話せるというアルメニア人に、中国語は他の言語と比べて難しくないかと尋ねたところ、「語形変化がないから超簡単」と言われてしまいました。漢字には苦戦したようですが、文法も発音も数ヶ月で習得したとか。彼女曰く、いちばん難しい言語はロシア語なのだそうです。