物価感覚

 10年ぶりに香港に行ってきました。前回は中国のビザ取得が目的で、日本人御用達の安宿「ゴダイゴゲストハウス」を利用したのですが、今回は友人の結婚式で旅行会社が手配してくれたホテルに宿泊しました。この10年の間に自分の身に起きたあれこれが思い出されて感慨深いです。

 10年前は中国から列車を乗り継いで香港入りし、お金も時間も気持ちの余裕もありませんでした。中国では麺類が20円ほどなのに、香港では量が少ないくせに200円もしたので、物価が高くて暮らすのが大変そうというのが当時の印象でした。ただ、日本人の感覚では「香港の物価は安い」ということは分かっていたので、いつか日本の格安ツアーを利用して豪華ホテルに泊まり、飲茶を楽しみ、街歩きをしたいとひそかに思っていました。

 しかし、帰国してはや5年。今回日本を出発する前に空港で食べたラーメンは850円でした。香港では以前と変わらず200円ほどだったので、すでに日本価格になじんでいた私の物価イメージは一瞬でひっくり返りました。食料品も衣料品も公共交通の運賃も日本よりかなり安かったです。トースト+ハムエッグ+ヌードル+ドリンクの豪華な朝食セットが250円、香港名物トラム(路面電車)は一律20円強、地下鉄は初乗り50円ほど。観光客に優しい街だなあと思いました。

 感慨深いと言えば、人民元がずいぶん強くなったことにも驚きました。10年前は100人民元を両替するとたしか90香港ドルくらいだったのに、今回両替してみると120香港ドルになりました。人民元香港ドルの通貨価値が逆転して5年近く経ちますが、こんなに差が開いているとは思いませんでした。